島の星を詠む 〜世界で認められた石垣島の星空〜

2018年4月、八重山の西表石垣国立公園が「星空保護区」に認定された。国際ダークスカイ協会という国際的な機関が定める、光害の影響の無い暗く美しい夜空、星空を保護・保存するための優れた取り組みを称える認定制度で、世界では96番目、アジアでは2番目、日本国内では初となる認定だ。決して大袈裟では無く、八重山の星空が世界に誇れる星空なのだという証ではないだろうか。

 

八重山では昔から星や月が大切にされ、星を頼りに航海したり農作物の収穫時期を決めたりした。「月ぬ美しゃ」や「ムリカブシユンタ」など、月や星を唄った民謡や民話も多く残されている。そんな美しい星空を有する八重山も開発が進み、街の中心では1等星や2等星が見える程度になってしまっている。世界的に問題となっている《光害(ひかりがい)》は、日本ではまだ聞き馴染みのない公害だと思うが、欧米やアジアの先進諸国では深刻化しており、エネルギー浪費や生態系への甚大な被害、人体への悪影響も報告されている。すでにニューヨークやパリでは、光害に対する条例や夜間照明の規制も始まっており、光害対策について日本は後進国といえる。生活に必要な照明を消すのではなく、無駄で過剰な光を消し、本来あるべき夜空を取り戻す必要がある。

 

過剰な人工の光によって、世界の人口の3分の1以上、日本では人口の7割が天の川を夜、見ることができないといわれる現在、日本初の星空保護区となったここ八重山こそ、人の暮らしと星空が共存する世界最先端のモデル都市へ向け、動き出すべきではないだろうか。

この記事を書いた人

宝園博之 Hiroyuki Houzono

1975年 石垣島生まれ
高校卒業後上京し、音楽業界の仕事に携わる。約20年後帰郷し、現在、星空ガイドとして活動中。